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連絡用と銘打った生存確認用ブログ。最近は携帯からのジャンプ感想板になりつつあります。

   

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その引金を引くのは

なんか、気分だったんです。
MCP風味ではないです。ご注意!

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隣に転がる男を見下ろしてため息をついた。
ビルの屋上は風が強くて、この季節では凍えるようだ。こんな寒い所で、手元が狂いでもしたらどうするつもりだったのか。否。どうせこいつらは、俺が死にさえすれば、他の誰を巻き込もうとも構いはしないのだろう。
「銃刀法とかどうなってるの・・」
ここって日本だよな。
気絶している男の手にあるライフル。身近にダイナマイトを持ち歩いてる男がいるんだ。今更驚きもしないけど。
「どっと疲れるよ」
ずるずると座り込んで屋上のフェンスに頭を預ける。俺のこんな姿見たら、件の彼が心配して悲鳴を上げるんだろうけど。階段を駆け上がる音が聞こえるまでは、このままでいよう。

慣れたつもりだったんだ。
そりゃ平和な日常が一番だし、皆が笑顔で暮らせるのが最高だけど。
どうしたって、俺がボンゴレ十代目候補であることは変わらないし。俺だってその気になってしまった。彼と歩いて行こうって。そう決めてしまった。
けれど。
「これが現実だよな」
俺が進もうとする道の。
骸やザンザス。それからこの時代の人たちには知られていないけれど、10年後の世界で白蘭と戦ってきた。俺としては毎回、大切な人たちと自分を守る為に必死になってただけ。でも、自分の知らないところで実力は確実についていて。
もう俺は、その辺のマフィアに殺れるようなターゲットではなくなってしまったらしい。真正面からぶつかれば。
「こんなライフル使って暗殺だなんて。ゴルゴじゃあるまいし」
視界の隅で銃口が光ったらしい。
彼が気づかなきゃ、今頃俺はどうなっていたんだろう。
俺の周りにいた普通の人たちは、どうなっていたんだろう。
「昼間っから、並盛で空飛んじゃったよ」
変な噂になったらどうしてくれるんだ。イタリアに渡るまでは・・もうしばらくは、この街にいたいのに。
文字通り空を飛んで辿りついたこの屋上で、決着は本当に呆気なくついてしまった。人をこそこそ狙うような意気地なしだ。真正面から遣り合えば相手になどならない。

この男の銃口は、一体何人の人間に向けられたのだろう。
男は、何回この引金を引いたんだろう。

ガンガンガンと。
非常階段を駆け上がる音が聞こえてきた。
辿り着いた彼は、綺麗な髪を振り乱して「十代目、ご無事ですか!」と叫ぶに違いない。俺はそれに笑顔で答えなくちゃならない。「大丈夫だよ」って。
事実、怪我などないのだから。



イタリアで。既に名の通っているという彼は。奪ったことがあるのだろうか。人の命を。
いつかは俺も。この引金を、引くのだろうか。

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