Minor CP PC、携帯共通ブログ
連絡用と銘打った生存確認用ブログ。最近は携帯からのジャンプ感想板になりつつあります。
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It gets drunk!
メリークリスマス!!
パソコン立ち上げたら遊びそうなので、ブログに置いていきます。また落ち着いたら拾いにきます。明日も仕事なのにサンピーの原稿……。
綱吉さんに「酔っちゃったみたい」って言わせたいが為に書きました。満足したのでまた潜ります。
*************
広いホールに運び込まれたモミの木には、きらびやかな電飾と色とりどりの飾りつけが施されている。それらを囲み談笑する面々を見つめ、俺はこっそりと溜め息を吐いた。
ボンゴレ式クリスマスパーティーと大層な名前をつけたところで、すでにただの宴会と化している今、そのありがたみは薄い。来賓もいない内輪だけのパーティーだから抜け出す事も可能だが、十代目が残っていらっしゃる以上そうもいかない。
普段は接点すらない末端の構成員とも気さくに会話されるあの方は、常に人に囲まれている。それは、あの方と初めて出会った頃から十年に渡って見続けてきた光景だ。しかし見慣れてしまった部分はあれど、あまり面白い光景とはいえない。
ボンゴレという巨大組織のボスを務める彼を敬愛し、心酔している。それなのに、自分だけを特別に思って欲しいと願う俺は、酷く我が儘で矛盾している。今もあの方の視線が人垣を越え、こちらに向けられる事を期待している。
『獄寺くん』と、俺にしか見せない笑顔で、手招いてくれないだろうかと思っている。
馬鹿らしいと思いながらも視線が反らせないのは、いつだってあの方が俺の願いに応えてくれたからだ。
だから俺は、我が儘になってしまった。
「獄寺氏。ボンゴレが呼んでましたよ」
ただ十代目だけを見つめていたから、隣にランボが来ている事にすら気付かなかった。不意に話しかけられ、驚いてしまった事に軽く舌打ちしながら視線を移す。
「わかった」
仕事中ならまだしも、十代目がパーティーなどの会場で、人を使って俺を呼びつけるのは珍しい。人を使う前に、自分が動いてしまうようなお方だからだ。
何か緊急だろうか?
お体の具合でも悪いのだろうか?
あんなに見つめていたのに、気づけなかった。絶えずにこやかな微笑を湛えるあの方の、心の内はよみにくい。僅かな距離が酷く長く感じる。しょうのない嫉妬と願望に頭を支配されていた、数分前の自分が呪わしい。
「お呼びですか、十代目」
焦る内心は隠して、努めて冷静に声をかけた。十代目は、周りの部下を混乱させないよう気をかけているのかもしれない。俺が騒いでしまっては台無しだ。
「獄寺くん……」
こちらを見上げた十代目は、酒のせいでうっすらと頬を染めているものの、普段通りに見えた。しかし、あんなに分かりやすかった十代目は、いつからかすっかり嘘が上手くなってしまった。一見しただけでは何も見抜けない。
「少し、酔っちゃったみたい」
困ったように笑いながら、十代目はそう言った。お父様に似てアルコールに強い十代目は、滅多な事では酔わない。ここを抜け出す口実だろう。俺は頷いてみせた。
「それでは、お休みになりますか?」
「うん。悪いけど、そうするよ。俺は先に戻るけど、皆は楽しんでね」
部下達の声を背にホールを後にする十代目の一歩後ろを歩きながら考える。最近、不穏な動きを見せている敵対ファミリーはいなかったはずだ。問題があったとするなら、いったいどのようなものだろう。
「何があったんですか、十代目?!」
彼の私室に入るなり勢い込んで尋ねた俺に、きょとんとした瞳が向けられた。
「何もないよ。酔ったみたいって言っただろ?」
そっと肩口に額を押し付けられて、アルコールと十代目の匂いが香る。こちらの方が酔ってしまいそうだ。
「十代目が酒に酔うなんて珍しいですね」
最近お疲れのようだったし、無理をされていたのかもしれない。水を準備した方がいいだろうか。
「お酒に、じゃないよ」
俺の首筋に顔を埋めたまま、十代目が囁く。首筋に息がかかる。膝が崩れそうになる。心臓が大きな音をたてた。
「獄寺くんの視線に、だよ」
「じゅうだいめ……」
「責任とって、ちゃんと介抱してよね」
鎖骨を舌でくすぐられ、今度こそ力が抜けた。腰を支えてくださった十代目にすがり付く。
「これだと、どっちが酔っ払いかわからないね」
くすくす笑う十代目は可愛らしいけれど、今の台詞は聞き捨てならない。
俺の方が、もうずっと前から十代目に酔っているんです。
だから。
十代目こそ、責任、とってくださいね。
パソコン立ち上げたら遊びそうなので、ブログに置いていきます。また落ち着いたら拾いにきます。明日も仕事なのにサンピーの原稿……。
綱吉さんに「酔っちゃったみたい」って言わせたいが為に書きました。満足したのでまた潜ります。
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広いホールに運び込まれたモミの木には、きらびやかな電飾と色とりどりの飾りつけが施されている。それらを囲み談笑する面々を見つめ、俺はこっそりと溜め息を吐いた。
ボンゴレ式クリスマスパーティーと大層な名前をつけたところで、すでにただの宴会と化している今、そのありがたみは薄い。来賓もいない内輪だけのパーティーだから抜け出す事も可能だが、十代目が残っていらっしゃる以上そうもいかない。
普段は接点すらない末端の構成員とも気さくに会話されるあの方は、常に人に囲まれている。それは、あの方と初めて出会った頃から十年に渡って見続けてきた光景だ。しかし見慣れてしまった部分はあれど、あまり面白い光景とはいえない。
ボンゴレという巨大組織のボスを務める彼を敬愛し、心酔している。それなのに、自分だけを特別に思って欲しいと願う俺は、酷く我が儘で矛盾している。今もあの方の視線が人垣を越え、こちらに向けられる事を期待している。
『獄寺くん』と、俺にしか見せない笑顔で、手招いてくれないだろうかと思っている。
馬鹿らしいと思いながらも視線が反らせないのは、いつだってあの方が俺の願いに応えてくれたからだ。
だから俺は、我が儘になってしまった。
「獄寺氏。ボンゴレが呼んでましたよ」
ただ十代目だけを見つめていたから、隣にランボが来ている事にすら気付かなかった。不意に話しかけられ、驚いてしまった事に軽く舌打ちしながら視線を移す。
「わかった」
仕事中ならまだしも、十代目がパーティーなどの会場で、人を使って俺を呼びつけるのは珍しい。人を使う前に、自分が動いてしまうようなお方だからだ。
何か緊急だろうか?
お体の具合でも悪いのだろうか?
あんなに見つめていたのに、気づけなかった。絶えずにこやかな微笑を湛えるあの方の、心の内はよみにくい。僅かな距離が酷く長く感じる。しょうのない嫉妬と願望に頭を支配されていた、数分前の自分が呪わしい。
「お呼びですか、十代目」
焦る内心は隠して、努めて冷静に声をかけた。十代目は、周りの部下を混乱させないよう気をかけているのかもしれない。俺が騒いでしまっては台無しだ。
「獄寺くん……」
こちらを見上げた十代目は、酒のせいでうっすらと頬を染めているものの、普段通りに見えた。しかし、あんなに分かりやすかった十代目は、いつからかすっかり嘘が上手くなってしまった。一見しただけでは何も見抜けない。
「少し、酔っちゃったみたい」
困ったように笑いながら、十代目はそう言った。お父様に似てアルコールに強い十代目は、滅多な事では酔わない。ここを抜け出す口実だろう。俺は頷いてみせた。
「それでは、お休みになりますか?」
「うん。悪いけど、そうするよ。俺は先に戻るけど、皆は楽しんでね」
部下達の声を背にホールを後にする十代目の一歩後ろを歩きながら考える。最近、不穏な動きを見せている敵対ファミリーはいなかったはずだ。問題があったとするなら、いったいどのようなものだろう。
「何があったんですか、十代目?!」
彼の私室に入るなり勢い込んで尋ねた俺に、きょとんとした瞳が向けられた。
「何もないよ。酔ったみたいって言っただろ?」
そっと肩口に額を押し付けられて、アルコールと十代目の匂いが香る。こちらの方が酔ってしまいそうだ。
「十代目が酒に酔うなんて珍しいですね」
最近お疲れのようだったし、無理をされていたのかもしれない。水を準備した方がいいだろうか。
「お酒に、じゃないよ」
俺の首筋に顔を埋めたまま、十代目が囁く。首筋に息がかかる。膝が崩れそうになる。心臓が大きな音をたてた。
「獄寺くんの視線に、だよ」
「じゅうだいめ……」
「責任とって、ちゃんと介抱してよね」
鎖骨を舌でくすぐられ、今度こそ力が抜けた。腰を支えてくださった十代目にすがり付く。
「これだと、どっちが酔っ払いかわからないね」
くすくす笑う十代目は可愛らしいけれど、今の台詞は聞き捨てならない。
俺の方が、もうずっと前から十代目に酔っているんです。
だから。
十代目こそ、責任、とってくださいね。
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